10月例会は、10/8(金)午前、市民劇場会議室で見学者のAさんを交えて開かれました。進行は、手慣れたNさんによる発声練習から、当日メインのK会員による水村美苗(みずむら・みなえ)著『日本語の亡びるとき』(08年刊)の講義へ。2時間の例会後、みなで松戸駅南口にある松戸市観光案内所を訪れてみました。観光パンフレットをもらったり、"来春、青空朗読会を矢切の渡しで"と相談したりして解散しました。11月例会:11/12(金)勤労会館、12月例会:12/10(金)勤労会館。1/14(金)市民劇場、2/11(金)勤労会館で決まりです。
前半、 講義は用意されたレジメにしたがって、"著者は、日本人ながらアメリカで育ち、大学でフランス語を学ぶという経歴。世界にはいろんな文学があることを知る"と紹介。―{日本に日本語で学問をすることができる「大学」が存在するようになったことが日本に近代文学が生まれ大きな役割を果たした。夏目漱石の『三四郎』を読むと、当時の日本における「大学」が大きな翻訳機関=翻訳者養成所として、日本語が「国語」という学問ができる言葉に仕上げていった場所…}(「5章日本文学の奇跡」のレジメ)のところで、"手短に!"と。同書は新松戸図書館にあり、貸出できますのでご利用ください。リサイクルコーナーの本も、いつも以上に持ち帰りが多く、残りを中央図書館へ。ありがとうございました。
後半、朗読による手持ちの読み本紹介には、10人が短い時間づつで発表していきました。以下一部を紹介―
◐「母の記憶」百田尚樹:『幸福な生活』短編集(2011年~)。サラリーマンの明の母親は60歳、認知症でグループホームで生活している。"嫁を殺した!"、"近所の藤原さんは、私を好いていた!"、"夫を殺した!"と放言する。(Sさん)
◐「三毛猫」長田弘:『深呼吸の必要』。{猫は、いつもそこにいた。晴れた日も、雨の日も。…気働きのいい八百屋で、いつも夜おそくまで店を開けていた。みごとな毛並みのおおきな三毛猫だった。ある日、八百屋は店を休んだ。「猫、忌中」とあった。…}(杉さん)
◐{草木染め―みどりの色}への染色家のエッセイ。草木染めで緑色に染めるのは、むつかしいそうです。ブドウや桑の実だと紫、アカネや紅花からは赤、藍染めやクチナシからは青と色を染められることができる。みどり色の草木染へのお話。(ⓐさん)
◐新聞からのエッセイから。ケータイのない時代、実家の黒電話にまつわる話。大黒様のように茶の間に在った頃。長電話には叱られたこと、思う人に電話するのも誰がでてくれるか!と。(好さん)
◐「編集手帳(読売)」エッセイ。土・日の郵便配達がなくなる話。子どもからの"いつまでも愛してるからね"の手紙。(Oさん)
◐サンケイ新聞からのエッセイ。"このカード使えません!"となったときのてんまつ。読後、"マイナンバーカード、皆さんもってますか?"とやりとりへ。半々の保有率でした!。(SCさん)
◐『枕草子―春は曙(あけぼの)』{やうやうしろくなりゆく、やまぎはすこしあかりて、むらさきだちたる雲のほそくたなびきたる …}。次回には、"学校時代に習った国語教科書に載った本の紹介をしませんか!"と呼びかけ。(kさん)
◐ 「父の詫び状けしからん」向田和子:『向田邦子の遺言』より。{『父の詫び状』が本になって出たときは、家族も注目した。…「読んでよ、読んでよ」と、あんまりうるさく言うんで読んだら、とんでもハップン!…}。没後40年。 (mさん)