一年の初めの例会は、丘修三の『歯型(はがた)』を須藤講師にお願いしました。進行は成瀬さんで、会員による感想を交換していただきました。30年前の作品です。障がい者をいじめたことを、白状できずにいた少年は、{こころに、あの子の歯型が、くっきりと残った。}で終わる。30分ほどの朗読でした。成瀬さんからは、参加者へ、"印象に残った感想と朗読上の意見との二種類を、各自が単票に書き込んでください"とのご指示。"黒板"(ボード)に、カードが張られていき、各自からの発表へと進みました。(あとで、朗読部分やネットからの紹介文が資料配布)。
次回、2/11金・祝日/勤労会館,3/11金・勤労会館、4/8金・市民会館で開催します。 *リサイクル本は当ネット2/1付けで紹介します。入会・見学者歓迎です。
―『歯型』作品と朗読への感想―
◍{僕は自分を守ろうとして、こうくりかえした。「肩がふれて、しげるが、肩をつっついて…その子が、かみついてきたんんです」。}の箇所が、印象深く、耳に残りました。(健)
◍会話部分が多かったことが、物語の進みとなっていた。校長室でのやりとりで、校長と養護学校の先生の詰問の仕方が、もっとやり方、よい状況づくりがあったのではないだろうか?(藤)
◍男の子は暴力的、女の子は陰湿ないじめを、小学校の中/高年になるとするみたいだ。(小)
◍『兎の目』の作品と比べると、鋭く、障がい者の立場が重苦しくとらえられていた。日頃、街なかて、日常的に、障がい者との接触がないと、どうしていいかわからない、ということ、いまでも変わらないと云えます。(古)
◍男の子は"友達を裏切らない!"という心情は、親や先生への思いより強い、ということがある。(林)
◍一度、吐(つ)いたウソは、だんだんとエスカレート、増していくことを思った。(葉)
◍歯型をつけられたという被害者の母親が、自分のこどもの言い分だけを聞いていたこと、表面だけで、本当の事実を確かめることがたいせつなことだと思う。(佐)
朗読への感想―
◍朗読は感情を余り込めずに、淡々と読んでいくのがよい、と習ったことなんですが、今回、不自由な体と話すことにもハンディのある少年が主張する部分のところは、強い激情を込めて読まれていました。(y)(s)(t)
◍ドラマチックな叫びのところが、訴えとなってよかった。(m)
◍全体の流れが、最後の、障がい者の少年の叫びにもっていく展開、仕法となっていて、とてもよかった。(k)
朗読者の須藤講師から―今回、みなさんの前でお読み出来る機会となって感謝します。成瀬さんが牧ノ原小学校にお勤めされていた頃、家庭教育の集りで保護者の前でも機会があり、好評でした。感動する作品です。この作品では、読み手としては、まずは、声が届くか、はっきり伝えられるか、とくにマミムメモ・ウのコトバの口の動きです(ここで実演!)。それから、実演に入れば、ドキドキしてくると、どうしても速く読み過ぎていってしまう。ゆっくりと、はっきり読むようにすることでした。そのうえで、御意見のあったような、感情移入を、どこまでするか?ということですが、この作品を読んでいくうちに、冷静になろうとしても泣けてきてしまうんです。ワアワアと、ゴウゴウと、ハンディをもつ子どもの、泣き叫ぶ気持ち、になってしまうことでした。…
佐藤代表からは、「皆さまの朗読と読書への積極的な姿勢で、昨年一年間も休会せず、8月と9月には通常の会場と異なった古民家や21世紀公園で開催しました。気分を変えて朗読出来たと思います。ことしもコロナ蔓延ですが、積極的に学んでいきたいです。」とのあいさつ。久しぶりの参会者もあるなか、今後の当番や試みへの意見がありました。