千葉県立西部図書館《新着紹介》:『評伝 服部良一』『女給の社会史』『プロの撮り方』
松戸市内の県立西部図書館は、主に自然科学・技術・工学系の専門書を収集・貸出しています。同館は市内「森のホール」に隣接する図書館です。最近は、文科系に近い、親しみやすい社会・風俗・医療の新着資料を案内・貸出にも力を注いでいます。館内に入ったところに、「新着コーナー」があり、毎回、30冊ほどの展示があります。そばには「返却本コーナー」も並んでおり、読まれたばかりの返本も借り出されています。最近の面白そうな新着3冊を紹介しましょう。こんな興味ある本も貸し出しされています。 *県立図書館は、現在は中央・東部・西部の3館があり、100周年を迎えました。2029年(令和11年)には県文書館との複合施設として、1館に集約されます。青葉の森公園内に開館予定です―『千葉文化』3月号。 ◎『評伝 服部良一/日本ジャズ&ポップス史』菊池清磨・彩流社・2023年刊:著者は1960年生まれ。明治大学マンドリン倶楽部で音楽を学ぶ。いまNHKテレビの朝ドラ「ブギウギ」のヒロイン・”笠置シズ子”へ、作曲家として登場の”はっとり”の人物のことです。豊富なエピソードだけでなく、日本の大衆音楽史への深入りの紹介でもある。大正から昭和前期、草々のジャズの魅力へ。戦後すぐに,二葉あき子の歌う「夜のプラットホーム」が作曲家・服部良一を蘇らせたエピソードでは、{戦前、この曲は発売禁止処分だった。広島への原爆投下の時刻、二葉は広島発の数分遅れの普通列車が中山トンエルに入った時で救われた}という。 ◎『女給の社会史』篠原昌人・芙蓉出版・2023年刊:著者は1954年、栃木県生まれ。13章の小見出には、明治44年はカフェー元年、青春のミルクホール、職業女給の確立、カフェーから社交喫茶へ、女給からホステスへ、etc..。補章の{幻の女給}では、{鎌倉市、無職田村知子さん(78)が、自宅六畳間で死んでいるのを、訪ねて来た知人が見つけ鎌倉署に届けた。田村知子とは…昭和49年}の人物伝が読ませる。 ◎『プロの撮り方―シャッター速度』ブライアン・ピ-ターソン・日経ナショナルジオグラフイック。2023年刊:スマホによる写真が主流のなか、ちゃんとした写真を撮りたい方への一流プロのテクニック紹介。{基本は、250秒分の1で撮る}というところから!。上手な写真の撮り方は、適正な露出から習うのが普通ですが、今のカメラは自動で露出を決めてくれるので、シャッタースピードを優先して撮ろう、一瞬の動きを止めるのか、雨を撮りこむのか逆光か。どーも、最後はセンスの問題ではありますが、その前段の技術的な巧拙に、シャッター速度を考えてみるのは、実写紹介を見て役立ちそうです。 (案内・南 大塩) |